あまねけ! - shuzaihttps://ama.ne.jp/2022-12-20T18:30:00+09:00ミネラルショーに行ったこと2022-12-20T18:30:00+09:002022-12-20T18:30:00+09:00Amane Katagiritag:ama.ne.jp,2022-12-20:/post/mineral-show/<p>工場の排気管中に生じたもの。樹枝状の銅の結晶。酸で処理済。</p><p>先日、12/9〜12/12まで池袋のサンシャインシティで開催されていた第31回<a href="http://www.tokyomineralshow.com/">東京ミネラルショー</a>に行きました。こういう鉱物や宝石の即売会に行くのは初めてで、特段アクセサリー作りや宝石の鑑別に詳しいわけでもない(小さい頃に<a href="https://deagostini.jp/item/partwork_detail.php?code=ckc">デアゴスティーニ 地球の鉱物 コレクション</a>を十数号買ったことがあるくらい)のですが、いくつか <em>かわいい</em> アイテムを見たり買ったりしたので紹介します。</p>
<p>鉄分が少なく紫外線や緑色の光でも真っ赤に光る合成ルビーや、鋭くはっきりした光条を放つ合成スターサファイアは、初めての即売会でお祭り気分を楽しむにはちょうどいい宝石です。</p>
<p><img alt="紫外線で赤い蛍光を示す合成ルビー" height="375" src="/images/mineral-show/ruby.jpg" width="750"></p>
<p>3価クロムイオンが紫と黄緑の光を吸収して赤い光を放つ性質や、ルチルの結晶が規則正しく並ぶことで星のような光条が見える<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C">スター効果</a>といった現象は、写真や文章ではよく見かける比較的有名なものだと思います。しかし、これまで実際にこういう宝石を手元に置く機会はなかったので、今回入手できてちょっとラッキーでした。</p>
<p><img alt="裏に「70,000円」のラベルがある合成スターサファイア" height="375" src="/images/mineral-show/starsapphire.jpg" width="750"></p>
<p>裏に書かれた「70,000円」というシールが本来の値段なら、1000円台で購入したので驚異の98%以上の値引きということになります。宝石業界の商慣習はよく知りませんが、Amazonプライムデー方式の定価水増し手法かもしれません。</p>
<p>ブラックライトで蛍光する鉱物や宝石は、当然ながら目を引く属性として人気があるようです。強い黄緑色の蛍光を楽しめるウランガラスを使用した製品は、現代ではウランの扱いが難しく新品の製造量が非常に少ないので、アンティークのボタンや小物が活発に取引されています。今回購入したのは直径32mmほどのチェコのガラスボタン(中サイズ)で、ブラックライトを当てるとあやしい輝きを放つ素敵な品です。</p>
<p><img alt="紫外線で黄緑色に光るチェコのかわいいウランガラスボタン" height="375" src="/images/mineral-show/uranglas.jpg" width="750"></p>
<p>他にも、現在では生産がほとんどなく骨董品的な価値が高まっている例として、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)と呼ばれるロシア製の鮮やかな黄色(カナリーイエロー)の合成宝石を何度か見かけました。こちらも紫外線を当てると黄色い輝きがさらに増すらしいです(<a href="https://twitter.com/manzana70793576/status/1414015122855530497">参考</a>)。YAG自体は黄色だけではなく、添加元素によって赤・緑・紫などに着色できる便利な素材のようですが、現在ではもっぱらレーザーの媒質としての生産しかありません。</p>
<p>さて、これらの合成宝石やガラス製品は、あくまで人間の制御下で意図して作られたものです。つまり、成分が理想的な範囲でよく調整され、精細なカットや装飾が施された美しい商品でした。</p>
<p>しかし、こちらの銅樹は人間の経済活動と偶然の化学反応が重なって生じた、ある種の半自然的な鉱物と考えることができます。精錬工場で生じた銅を含む蒸気が金属管を通る間に、異金属との接触によって銅が析出して成長したのでしょう。青い硫酸銅の結晶が付着して、木の枝に花が咲いているように見えるものなどもあるようです。</p>
<p><img alt="ルースケースに入った樹枝状の銅の結晶" height="600" src="/images/mineral-show/coppertree.jpg" width="600"></p>
<p>もちろん、イオン反応による金属樹の成長という現象自体は中学生レベルの理科で触れるような内容ですが、「工場の排気管中に生じたもの。樹枝状の銅の結晶。酸で処理済。」というフレーバーテキストによって、建造物の中に隠された人の手が届かない場所で生まれる半人工結晶の神秘性・自然性が強調されています。</p>
<p>人間の活動と共に産出することを踏まえると、<a href="https://www.tokuma.jp/coil/">電脳コイル</a>に出てくるメタバグのような概念に似ているかもしれません。鉱物という観点では、かつて<a href="/post/smarakata/">東洋のスマラカタ</a>というお話を書いたことがありましたが、こちらはむしろ自然に近いより大きな存在でした。</p>
<p>このように半自然的な由来の鉱物としては、ポーランドの塗料工場の煙突に付着することで有名なジンカイト(紅亜鉛鉱)があります(<a href="https://kirara-sha.com/id7/zincite/">参考</a>)。天然では結晶の状態で産出する例が少なく、多くは工場の煙突内や鉱山火災などの人為的な環境で生まれるものです。およそ電気を通しそうにない透き通った綺麗な外見とは裏腹に、かつては鉱石ラジオの感度のよい検波器として重宝されていました。</p>
<p>今回の東京ミネラルショーでは、会場の特別展示や配布されたパンフレットの特集として合成宝石の歴史がまとめられていました。天然宝石の希少性や偶然の美しさに注目するだけではなく、このような美しさに近づくための技術や素材に思いを馳せたり、半人工石や半人工結晶といった人と共存する鉱物の神秘性を味わうことも、鉱物や宝石の楽しみ方の一つと言えるでしょう。</p>キヌガワ特撰集2017-12-25T02:01:00+09:002017-12-25T02:01:00+09:00Amane Katagiritag:ama.ne.jp,2017-12-25:/post/silkriver/<p>さくら並木公園高校自撮り研究部</p><p><img alt="さくら並木公園高校自撮り研究部!" height="394" src="/images/silkriver/title.jpg" width="750"></p>
<p>こんにちは。鬼怒川温泉を知っていますか?</p>
<div class="toc">
<ul>
<li><a href="#_1">川がある</a></li>
<li><a href="#_2">ホテルがある!</a></li>
<li><a href="#_3">ホテルがある?</a></li>
<li><a href="#_4">猫もいるよ</a></li>
<li><a href="#_5">おまけ</a></li>
<li><a href="#_6">おわりに</a></li>
</ul>
</div>
<h2 id="_1">川がある</h2>
<p>鬼怒<strong>川</strong>温泉と書くくらいなので、まぁ川があります。</p>
<p><img alt="楯岩" height="500" src="/images/silkriver/river001.jpg" width="750"><br>
楯岩と川の写真です。デカい岩がありました。</p>
<p><img alt="吊り橋" height="500" src="/images/silkriver/bridge.jpg" width="750"><br>
この吊り橋から写真を撮りました。子供がボコボコ跳ねるととにかくめちゃめちゃ揺れますね。跳ねるな。</p>
<p><img alt="月台" height="500" src="/images/silkriver/tsukidai.jpg" width="750"><br>
楯岩を臨む月台です。さくら並木公園高校自撮り研究部の女子部員のみんながよく集まっているみたい。</p>
<p><img alt="北の川" height="500" src="/images/silkriver/river002.jpg" width="750"><br>
これも川です。綺麗ですね。あんまり特筆することはないです。</p>
<p>思い出してみるとここも吊り橋でした。吊り橋効果好きの変態しかいないのか。</p>
<h2 id="_2">ホテルがある!</h2>
<p>鬼怒川<strong>温泉</strong>と書くくらいなので、ホテルもあります。鬼怒川温泉駅を出て歩くと、色んなホテルに出会います。</p>
<p><img alt="整列" height="500" src="/images/silkriver/hotels001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="ホテルニューおおるり" height="500" src="/images/silkriver/hotels002.jpg" width="750"><br>
断崖絶壁ライクな川岸にいい感じに建てる建築(あれなんて言うんですか?)が大好きなのですごくいい風景ですね。道端に椅子を置いて眺めてるべき。</p>
<p><img alt="鳥瞰" height="500" src="/images/silkriver/city.jpg" width="750"><br>
こっちは楯岩の上から撮った温泉街の全景です。段のデカい膝殺しの階段を昇り切ると、四畳半くらいの展望台と縁結びの鐘が吊るしてありました。吊り橋効果好きの変態しかいないのか。</p>
<h2 id="_3">ホテルがある?</h2>
<p>鬼怒川<strong>廃墟</strong>と書くくらいなので、廃墟もあります。鬼怒川温泉公園駅の方にも、色んなホテルが並んでいるみたいです。</p>
<p><img alt="断絶" height="500" src="/images/silkriver/ruin001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="頓死" height="500" src="/images/silkriver/ruin002.jpg" width="750"><br>
黒く汚れた廃ホテルの対岸では、未だ営業を続ける政府登録<sup id="fnref:gov"><a class="footnote-ref" href="#fn:gov" title="バブル時代を過ごした廃ホテルを語るには避けて通れない重要キーワード">1</a></sup>国際観光ホテルや、地元の子供たちが通っているだろう幼稚園が向こう岸を眺めています。川が過去と現在を分断しているかのようです。</p>
<p>逆に言うと廃ホテル群を正面から撮影できなくてちょっと残念。</p>
<p><img alt="虚" height="500" src="/images/silkriver/ruin003.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="無" height="500" src="/images/silkriver/ruin004.jpg" width="750"><br>
あなたは、あの頃の夢をまだ見ているのでしょうか。</p>
<p><img alt="ホテル" height="500" src="/images/silkriver/ruin006.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="マンション" height="500" src="/images/silkriver/ruin005.jpg" width="750"><br>
ホテルグリーンパレスと、マンショングリーンパレス。時は止まっても、劣化は止まりません。</p>
<p><img alt="肩書" height="500" src="/images/silkriver/badge.jpg" width="750"><br>
もしあなたがたくさんの肩書を得たとして、天国ではどれほど役に立つでしょうか?</p>
<h2 id="_4">猫もいるよ</h2>
<p><img alt="こちらを見るネコちゃん" height="500" src="/images/silkriver/cat001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="上を見るネコちゃん" height="500" src="/images/silkriver/cat002.jpg" width="750"><br>
猫の忍者を見かけましたので、ズームレンズに差し替えて撮影を試みました。可愛いですね。</p>
<p>そういえば、鬼怒川温泉公園駅近くの日光人形美術館<sup id="fnref:yumeji"><a class="footnote-ref" href="#fn:yumeji" title="http://www.yumeji.co.jp/doll/">2</a></sup>では、屋内にネコちゃんがいました。大丈夫か?</p>
<h2 id="_5">おまけ</h2>
<p><img alt="シンゴジラ" height="500" src="/images/silkriver/sl.jpg" width="750"><br>
これがシンゴジラってやつですか。</p>
<h2 id="_6">おわりに</h2>
<p>もっと廃墟温泉街が見た〜い! 廃墟内部に入るには色々準備も必要ですから、色んな人と協力して色々やりたいですね。</p>
<div class="footnote">
<hr>
<ol>
<li id="fn:gov">
<p>バブル時代を過ごした廃ホテルを語るには避けて通れない重要キーワード <a class="footnote-backref" href="#fnref:gov" title="Jump back to footnote 1 in the text">↩</a></p>
</li>
<li id="fn:yumeji">
<p>http://www.yumeji.co.jp/doll/ <a class="footnote-backref" href="#fnref:yumeji" title="Jump back to footnote 2 in the text">↩</a></p>
</li>
</ol>
</div>虚無デパート2017-05-05T15:04:00+09:002017-12-23T20:55:00+09:00Amane Katagiritag:ama.ne.jp,2017-05-05:/post/golden-depart/<p>黄金週間まとめ</p><p><img alt="シャッター" height="393" src="/images/golden-depart/top.jpg" width="750"></p>
<div class="toc">
<ul>
<li><a href="#_1">概要</a></li>
<li><a href="#_2">地域別の虚無</a><ul>
<li><a href="#_3">検見川浜</a></li>
<li><a href="#_4">南船橋</a></li>
<li><a href="#_5">市場前</a></li>
<li><a href="#_6">野田市</a></li>
</ul>
</li>
<li><a href="#_7">おわりに</a></li>
</ul>
</div>
<h2 id="_1">概要</h2>
<p>5月2日(検見川浜、南船橋、市場前)および5月4日(野田市)に取材を行った。括弧内は全て最寄りの駅名である。ここでは、いくつか特筆すべき虚無についてまとめようと思う。</p>
<h2 id="_2">地域別の虚無</h2>
<h3 id="_3">検見川浜</h3>
<p><a href="/post/mu/">前回</a>に引き続き、検見川浜の団地の取材に赴いた。検見川浜には公団住宅やそうでない団地が密集しており、常に人間とは何か、どう生きるべきかを我々に問うている。</p>
<p><img alt="フラクタル" height="500" src="/images/golden-depart/km0001.jpg" width="750"><br>
駅から徒歩数分。地平線の彼方まで全く同じ建物が続いている様子が分かるだろうか?</p>
<p><img alt="家へ帰ろう" height="500" src="/images/golden-depart/km0002.jpg" width="750"><br>
鬼ごっこ開始までのカウントダウンを高らかに告げていた公園の子どもたちは、どうやって自分の家を探すのだろう。</p>
<p><img alt="生活" height="500" src="/images/golden-depart/km0003.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="時間の止まった街" height="500" src="/images/golden-depart/km0004.jpg" width="750"><br>
奥に見える巨大なマンションが、一枚の写真の中に厳然たる時間的隔絶を作り出している。</p>
<p>写真を撮り忘れてしまったが、検見川浜の住民が愛用しているだろうイズミヤという複合商業施設を見つけた。2017年5月10日で20年以上の歴史の幕を下ろすとのこと。思わぬ虚無の誕生に心が躍る。</p>
<h3 id="_4">南船橋</h3>
<p>検見川浜から電車で10分ほどの場所に団地を発見した。検見川浜のそれらよりは規模が小さいが、シャッターの下りた団地付属の商店街は虚無の切れ端を見せてくれる。</p>
<p>徒歩圏内にIKEAとららぽーとがあり、住民の生活に無くてはならないものであることを伺わせる。IKEAの虚ミートボールは一切の天然成分を感じないほどに完成しきった味であった。</p>
<p><img alt="テクスチャ" height="500" src="/images/golden-depart/fn0001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="貯水タワー" height="900" src="/images/golden-depart/fn0002.jpg" width="600"><br>
URのタワーからは何が見えるのだろう。我々も監視されているのだろうか。</p>
<h3 id="_5">市場前</h3>
<p>市場前の「市場」とは、世に言う豊洲新市場のことである。</p>
<p>豊洲新市場とは、東京都が総力を挙げて生み出した廃墟であるところの「豊洲市場」の通称である。2年以上にわたる廃墟の建設は他に類を見ず、今後は日本人観光客のみならず外国人観光客をもターゲットにした人気観光地になってもおかしくはない。</p>
<p><img alt="誰もいない改札" height="500" src="/images/golden-depart/ty0001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="誰もいない窓口" height="500" src="/images/golden-depart/ty0002.jpg" width="750"><br>
がらんとした駅に、無人駅であることを示す貼り紙があった。23区内に無人駅があることに驚きと幻滅を隠しきれず、私はしばし改札の前に立ち尽くしていた。</p>
<p><img alt="通行できない歩道橋" height="500" src="/images/golden-depart/ty0003.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="何も知らない案内標識" height="500" src="/images/golden-depart/ty0004.jpg" width="750"><br>
市場はもちろん、市場周辺のあらゆる構造物はそこに在るべき理由を見失っている。歩道橋の入り口は塞がれているし、案内標識はもはやどこへ案内する気もない。</p>
<p>とは言え、本来虚無たる廃墟というのはそういうものだ。流石は都営の廃墟といったところだろうか。</p>
<p><img alt="主張" height="900" src="/images/golden-depart/ty0005.jpg" width="600"><br>
飾り以上の意味を持たない看板である。確認できなかったが、夜に光るとより一層虚無であろう。</p>
<p>門の前で微動だにしない警備員は、いったい何を守っているのか。尋ねたところ、一言「虚無」と答えてそれから何も言わなかった。</p>
<p><img alt="墓地" height="500" src="/images/golden-depart/ty0007.jpg" width="750"><br>
外壁は晴天も相まって非常に美しい。作られたばかりの廃墟はこんなにも魅力的なのだ。</p>
<p>完成直後のピラミッドもまばゆい輝きを放っていたと聞く。願わくば、この廃墟が数千年もの間残り続けることを。</p>
<p><img alt="蟻さえ通さぬ" height="500" src="/images/golden-depart/ty0006.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="虚無への門" height="500" src="/images/golden-depart/ty0008.jpg" width="750"><br>
どこからも市場の中へ入ることはできなかった。ピラミッドや始皇帝陵のような荘厳さを感じさせるための工夫に違いない。</p>
<p><a href="/images/golden-depart/ty0009z.jpg"><img alt="零" height="900" src="/images/golden-depart/ty0009.jpg" width="600"></a><br>
絶対にカウントが増えることのないメーター。こういう遊び心も、都営ならではの工夫であろう。</p>
<h3 id="_6">野田市</h3>
<p>東武鉄道は我々を虚無へと連れていってくれる。</p>
<p>東武動物公園も鬼怒川温泉も、虚無そのものかあるいは虚無のど真ん中にまっすぐ立っているのだ。</p>
<p><img alt="工廠" height="500" src="/images/golden-depart/nd0001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="田舎小学校" height="500" src="/images/golden-depart/nd0002.jpg" width="750"><br>
今にも終業式を終えた小学生たちが飛び出してきそうである。</p>
<p><img alt="第■駐輪場" height="500" src="/images/golden-depart/nd0003.jpg" width="750"><br>
とうとう駐輪場の果てを見つけることはできなかった。</p>
<p><img alt="横断旗" height="500" src="/images/golden-depart/nd0004.jpg" width="750"><br>
キッコーマンもの知りしょうゆ館への横断歩道にあった横断旗。なお、館はGW中のため休業であった。</p>
<h2 id="_7">おわりに</h2>
<p><img alt="なーにちゃん" height="500" src="/images/golden-depart/nd0005.jpg" width="750"></p>
<p>私といっしょにもっと虚無を見学しましょう。</p>房総の無2016-12-03T22:50:00+09:002016-12-10T10:05:00+09:00Amane Katagiritag:ama.ne.jp,2016-12-03:/post/mu/<p>ここには、何もないがあります。</p><p><img alt="さわやかトイレ" height="393" src="/images/mu/top.jpg" width="750"></p>
<div class="toc">
<ul>
<li><a href="#_1">概要</a></li>
<li><a href="#_2">旅のいろいろ</a><ul>
<li><a href="#_3">京葉線</a></li>
<li><a href="#_4">外房線</a></li>
<li><a href="#_5">大原</a></li>
<li><a href="#_6">いすみ鉄道</a></li>
<li><a href="#_7">久我原駅</a></li>
<li><a href="#_8">久我原</a></li>
<li><a href="#_9">上総中野</a></li>
</ul>
</li>
<li><a href="#_10">おわりに</a></li>
</ul>
</div>
<h2 id="_1">概要</h2>
<p>11月30日にMt.Shadow(<a href="https://twitter.com/shaman_east">@shaman_east</a>)と千葉の田舎くんだりまで取材に赴き、多くの無の観測や撮影に成功した。</p>
<p>なお、全体の旅程については、彼が書いた以下の記事が写真も多く分かりやすい。この記事では全体についてなぞらないことにする。</p>
<p><a href="http://e-shadow.info/post/154210241740/%E6%88%BF%E7%B7%8F%E5%8D%8A%E5%B3%B6%E6%9A%B4%E8%B5%B0%E5%88%97%E8%BB%8A%E6%A8%AA%E6%96%AD%E3%81%AE%E6%97%85">e-shadow.info - 房総半島暴走列車横断の旅</a></p>
<ul>
<li><a href="https://archive.is/nVrcF">消失に備えてI</a></li>
<li><a href="https://archive.is/92E16">消失に備えてII</a></li>
</ul>
<h2 id="_2">旅のいろいろ</h2>
<h3 id="_3">京葉線</h3>
<p>検見川浜という駅の周辺では、昔ながらの団地(分かってほしい、公団住宅でいいのか?)があり、無骨な住居が朝日を浴びながら縦横無尽に並び立っている。いわゆる<a href="https://goo.gl/rM6SSG">こういうの</a>である。</p>
<p>直前にタキ1000形がドカドカ走っているのを見たり、そこらじゅう巨大な構造物しかない工業団地を見たりしてワクワクが止まらなくなっていた私は、これに本当に興奮し、通勤者が眠そうな顔で席に座っている車内で大騒ぎしてしまった。サラリーマン諸氏、平日に遊び歩く大学生を見せつけてごめん。</p>
<p>話は変わるが、つくばにも公務員住宅と呼ばれるバブルの名残がそこここに点在している。徐々に人がいなくなり、各所が閉鎖されていくさまを見ると、それはまさに<strong>無</strong>である。</p>
<p><img alt="つくば" height="500" src="/images/mu/tkb0001.jpg" width="750"><br>
これはつくば。</p>
<p>検見川浜の団地はどうなのだろう。写真を撮る暇も無かったので、もう少し取材する必要がある。</p>
<p>ちなみにいろいろ探してたら<a href="http://www.greenmax.co.jp/Product/GM2702_urchintaijutaku.htm">こういうの</a>がでてきた。すごい。</p>
<p>あと、海外の公団住宅としては、<a href="https://goo.gl/ChEUIU">こういうの</a>がある。行きたい。</p>
<p><img alt="プローラ1" height="519" src="/images/mu/prora0001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="プローラ2" height="515" src="/images/mu/prora0002.jpg" width="750"></p>
<h3 id="_4">外房線</h3>
<p>7時〜8時台の電車に乗っていると、中高生軍団が通学のため多数乗車する。真面目に単語帳を読む男子中学生とか、仲良しJK4人組とか様々いた。私は電車通学を経験したことがないのだが、車内では懐かしさのあまり60歳くらい若返っていた。</p>
<p>ただ、脚を組んでダラダラと態度悪く漫画を読んでいた男子中学生が、降車間際になっていきなり女子中学生になったのは驚いた。あれはなんだったんだ。</p>
<p>思うに、ここではまだ有があったのだろう。千葉は無と有が混在していることが分かった。</p>
<h3 id="_5">大原</h3>
<p>何もなかった。歩けど歩けどまさに<strong>無</strong>である。いやまさか天の川鉄道乗車券でも買ってしまったのではないかと手元を見てみたが、何度見てもそれはモダンなSuicaカードであった。</p>
<p><img alt="いすみ市には無がある" height="800" src="/images/mu/ohr0002.jpg" width="600"><br>
<a href="/tweet/803746309358305280"><cite>803746309358305280</cite></a></p>
<p><img alt="無の表層" height="563" src="/images/mu/ohr0001.jpg" width="750"></p>
<p>11時から営業を始める漁港の食堂を恨みながら、優雅にコンビニ飯で朝食を済ます。ダラダラ歩いていたので次の電車に間に合わず、1時間以上足止めとなる。ここで原稿でも書き始めればよかったのだが、いかんせん歩きすぎて疲れてしまっていた。</p>
<p>次は車で来るといいと思う。駅の近くではレンタサイクルもやっていた。</p>
<h3 id="_6">いすみ鉄道</h3>
<p>ホンモノの天の川鉄道乗車券を買い、我々はとうとう本当の<strong>無</strong>へと赴くことになった。</p>
<p><img alt="天の川鉄道乗車券" height="800" src="/images/mu/ticket.jpg" width="600"><br>
<a href="/tweet/803768032459886592"><cite>803768032459886592</cite></a></p>
<p><img alt="電車ではなく汽車" height="500" src="/images/mu/rail0001.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="整理券は出ない" height="500" src="/images/mu/rail0002.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="マニュアルフォーカス" height="500" src="/images/mu/rail0003.jpg" width="750"></p>
<p><img alt="扇風機スイッチ" height="500" src="/images/mu/rail0004.jpg" width="750"></p>
<p>整理券発行機や扇風機スイッチなどあるが、バスでなく、電車でもなく汽車である。</p>
<h3 id="_7">久我原駅</h3>
<p><img alt="線路1" height="900" src="/images/mu/rail0005.jpg" width="600"><br>
線路が歪んでいる以外はだいたいいい景色である。</p>
<p><img alt="線路2" height="500" src="/images/mu/rail0006.jpg" width="750"><br>
無から続き、無へと続いていく。</p>
<p><img alt="ぼっさん" height="500" src="/images/mu/rail0007.jpg" width="750"><br>
ぼっさんがいたので撮った。</p>
<p><img alt="秘境駅舎" height="500" src="/images/mu/rail0008.jpg" width="750"><br>
いすみ鉄道はネーミングライツで食いつないでいるらしい。デンタルサポート大多喜駅というのもある。三育学院大学は後述。</p>
<p><img alt="神絵師" height="800" src="/images/mu/rail0009.jpg" width="600"><br>
<a href="http://www.adventar.org/calendars/1831">神絵師</a>は無から有を生み出せるのだ。</p>
<p><img alt="暗号地図" height="563" src="/images/mu/rail0010.jpg" width="750"><br>
番号だけが書かれた地図。仲間にしか通じない暗号なのかもしれない。</p>
<h3 id="_8">久我原</h3>
<p>「ひ」の字の夷隅川に囲まれた<a href="https://www.google.co.jp/maps/place/久我原神社/">集落</a>であり、大多喜街道側に2本の道路がある以外にほとんど出入り口が見当たらない。綺麗だが一切人の出入りが認められない家や、謎の竹林、多数の野ざらし防火水槽などがあった。住民はほぼ見当たらず、ここにも昔は有があったことを思わせる<strong>無</strong>がてんこもりである。</p>
<p><img alt="無への入り口" height="500" src="/images/mu/kg0001.jpg" width="750"><br>
街道口の一つで、山を回る側である。</p>
<p><img alt="京都" height="500" src="/images/mu/kt0001.jpg" width="750"><br>
途中で京都に飛ばされた。</p>
<p><img alt="夢の跡" height="500" src="/images/mu/kg0002.jpg" width="750"><br>
ひしゃげた鉄柵。雪かゴジラが来たのかもしれない。</p>
<p><img alt="きりん" height="900" src="/images/mu/kg0003.jpg" width="600"><br>
「きけん」ではなく「きりん」である。久我原にはきりんさんがいる。</p>
<p><img alt="百合" height="500" src="/images/mu/kg0004.jpg" width="750"><br>
夷隅川にかかる橋。目標がないとすぐに引き返してしまうので、この橋は渡りきろうとMt.Shadowを引っ張ってきた。</p>
<p>なお、橋の名前は失念した。<a href="http://www.saniku.ac.jp/">三育学院大学</a>の建設に合わせて造られたらしく、それまで久我原から橋で出ることはできなかったようだ。三育学院大学はキリスト教系の看護学校らしく、寮もある閉鎖空間らしい。百合か、そうでなければ陵辱である。<strong>無</strong>の真ん中にそびえ立つ建築物を見ながら、我々は流刑地だった頃の筑波大学と同じものを感じながらしばらく涙していた。</p>
<p>犬がひたすら吠えていて、住民たちに我々の侵入を伝えているのだと思い身構えたが、30分ほどかけて無事に街道口へと戻ってくることができた。ただ、復路に直線の道路を選んだのだが、6万kmくらい歩いた気がする。たぶん呪いだ。</p>
<h3 id="_9">上総中野</h3>
<p>観光で生活していくつもりのない街の冷たさを感じた。20分ほど前に電話して、今から行くぞと伝えた飯屋が閉まっている。コンビニは5km先だという。<strong>無</strong>ばっかりだ。</p>
<p>唯一面白そうなものとしてガス井とガス水というのがあり、無から有が湧き出ていた。そこらじゅうが臭かったが、まぁすごい。</p>
<p><img alt="ガス井" height="500" src="/images/mu/kz0001.jpg" width="750"><br>
これがガス井。ちょっと離れたところから川に向けて水がジョロジョロ出ていて、そっちがガス水というらしい。</p>
<p><img alt="時の流れ" height="500" src="/images/mu/kz0002.jpg" width="750"><br>
彼らもおそらく高校生になったのだろう。</p>
<h2 id="_10">おわりに</h2>
<p><img alt="thx" height="563" src="/images/mu/thx.jpg" width="750"></p>
<p>とりあえず団地を絡めた話とか、閉鎖された村の掟の話とかは書く気になったので良かった。</p>