title: 金魚鉢
author: Amane Katagiri
summary: ガラスパウダー
date: 2017-08-05T15:27:00+09:00
category: ugoki
license: CC BY 4.0
rating: sfw
ai_summary: 金魚鉢に現れた大きな金魚とその排泄物により水が濁り、小さな金魚である「私」は窮屈な思いをする。大きな金魚が去った後、「私」は広い鉢と神代の水を独占するが、やがて金魚鉢は粉々に砕け散る。生温い水が流れ出していく絶望的な光景の中で、逃げ場を失いながらも「私」がびちびちと笑う姿を描いた、閉塞感と破滅的な解放感の混ざり合う幻想的な物語。
ai_keywords: 金魚鉢, 金魚の糞, 汚濁, 浄化, 独占, 崩壊, 閉塞感, 不条理, 孤独, 狂気

金魚鉢に大きな金魚が来ることがある。黒くて大きな金魚と、皮の厚い金魚の糞と、それに群がるバクテリア。水が濁って嫌な臭いがした。

金魚の糞が私に降り掛かってくる。残された小さな場所で、小さな金魚は精一杯生きようとした。でも、金魚鉢からは出られない。

大きな金魚がいなくなると、やっと、私一人には大きすぎる金魚鉢を独り占めする。この水は神代から伝わる川の水だから、汚いものは跡形もなく消えてしまう。

やがて金魚鉢が割れて、ガラスは全部粉になった。生温い水が全て流れ出ていくのを見ながら、私はびちびちと笑っていた。
